第1章

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車内のマナー違反と言うことらしいが、以前は外人さんが車内ではそっちのけでケイタイ電話で会話している場合が多かったが今は車内には日本語以外に英語、中国語、韓国語で車内に掲げられているのであまり見られない。 にもかかわらず、車内でのマナー違反は相変わらず多い。特に近年は車内で食事をしたり、相変わらず足を組んだり。大声でしゃべる人もまだいる。 マナーの本質は他人を不愉快な気持ちにさせないことだと思うのだが。マナーの注意事項は増えても、心からの自発的マナーは増えない。 子供や赤ちゃんを抱っこした主婦や高齢者にも席を譲る人はいるにはいるがまだ少数派である。みんな、ケイタイのメールやスマホで音楽など聴いたり、ゲームに夢中になって知らん顔をしている。本を読んでいる人も書斎代わりに使っている。 つまり、車内は書斎であり、化粧室であり、居間でもあり、遊び場でもあり、なんでもありなのだ。 高橋は若い頃そうでもなかったが年齢とともに体が衰え座りたくなってきた。そして三十年間経つうちに車内で「座る術」を身につけてしまったのである。 その一つ目は電車の前と後ろの車両には席が見つからず座るチャンスが少ない。なぜなら日本の都心部の駅はほとんどがホームの真ん中に階段を設けて乗降させているからである。 すると、短距離通勤客はおのずと真ん中の車両に乗りたがる。一方長距離通勤客は乗降が多少不便でも前と後ろの車両に乗ってゆっくりと過ごしたほうが落ち着く。その結果真ん中の車両はいつも込んでいる。 しかし、座るチャンスは逆に真ん中付近の車両の方が確立は高い。なぜなら、降りる客が多いのは真ん中付近の車両の方が多いからである。 しかし、朝の通勤時はもみくちゃにされ、空いてもすぐ座られてしまうので通勤時にはお勧めしない。  それでも、チャンスはあるのだ。 それは次の駅で降りそうな人の前になんとかしてたどりつけばよい。  前に座っている人がどんな状態かよく観察することである。 よぐっすり眠っている人やブックカバーをして本を読んでいる人は長距離通勤者であり、書類を広げて仕事している人も同様で敬遠したほうがよい。通勤時間をたっぷり使うことができるからである。
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