あの頃の僕らにあったもの

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「俺たちでかくなったね」 「あんときと比べりゃな。中身なんかとんと変わってねえ」 「世の中、ちっちゃくなっちまったね」 「あんときは向かう所敵なしだったしな、今思えばなんにでも噛みついてやんちゃしてたな」 「今は世の中を覚えてしまったから……!!」 「今の俺らの敵は世の中ですか、勝てる気がしねえな」 顔を見合わせて、笑い転げた。 下を見ると、小さな純粋たちが羨望のまなざしで、僕らを下から覗いていた。 やまっちゃんは大きな声で純粋たちに言った。 「にいちゃんくらいになったら!お前たちもこの木にのぼれっからなー!!それまであっちの木で練習してろ!!」 目を輝かせた純粋は一人二人と我先に、小さな木にのぼろうと駆けていく。 陽に、目を細めた。
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