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寂しくなった枝をみてつかの間。
そんなことを考えていると思い出すあの頃。
子供の頃はただただ純粋に雰囲気だけを楽しんでいたような気がして、その純粋さってもんが今の僕にあるのかって問われたら「知らない内に無くなってしまったよ」そう答えるしかないことに気づく。
あの雰囲気が好きだった。
今でも好きだ。
でも目線が随分高くなってしまった。
僕は小さい頃、どこを見て、どこに気づいて、どこが好きだったかな。
僕を支えてくれた木は、きっと今じゃ僕の重みに耐えられないんじゃなかろうか。
止めていた足を動かして、木登りに手頃そうな木を物色する。
幸い、平日の昼間だから人は少なかった。
あの時は人目を気にすることもなく、ただ楽しみを見出すためにしていた遊びも、身体ばかり大きくなって、形だけ大きくなって、形だけ大人になった僕には、誰かに見られることが少し恥ずかしかった。
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