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 何度も舐めたけど消えてくれなくて悲しくなった。俺のって跡を付けてみたい。 「一穂、いっぱい跡がある……。いいなぁ」  押し倒されて首筋よりかなり下に痛みがあった。 「見えない場所ならいくらでもつけてやるよ」  一穂の的外れってわざとかな? 一撫でしてから視覚で確認したら少しだけ所有されたようで嬉しかった。 「一穂は付けられたら気持ちいい? 嬉しいの?」 「気持ちの問題だろ? 俺は嬉しいと思ったことはないよ」  一穂に付けなくて、付けさせてってお願いしなくて良かった。同じ気持ちじゃないって分かってるから大丈夫。  気持ちが無いことの辛さ、二ヶ月会えず終わるのかもと不安だった苦しさ、いつか浩平さんが明宏さんに言ってた言葉が過った。  "一緒にいる寂しさと居られない苦しさ"  愛されていないから浩平さんとは全く同じじゃないけど少しは理解できた。俺も関係が終わる苦しさは一緒にいる辛さを上回る。  結局は離れられない。  なら、少しでもこの関係が続く為に耐えられる。  大好きな一穂を味わう。もう一度俺が上になり身体中に沢山のキスと愛撫。手の指、膝、足首、その先にも……丁寧に足の指一本一本すら愛しいと、キスを落としながら俺を見る一穂を見詰める。 「そんなとこまで気持ちいいなんて知らなかったよ」  頭を撫でる温もり。いつか俺じゃない誰かがこの温もりを独り占めする。一回一回が最後になってしまうかもしれない、だからいつも全力で精一杯の愛を乗せて。いつも笑顔で……笑いあって……。 「そだね、俺もこの行為ですら興奮するなんて知らなかったよ」
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