三匹の犬~蜜・小太郎編~

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とりあえず男の子は飼うことに決めた。 問題は女の子である。 なかなか愛嬌のある顔をしているが、これといって、絶対欲しい!という気持ちにはならなかった。 夫も流石に諦めるだろうと思っていると、彼から信じられない言葉が出た。 「二匹ください!」 私はたまげた、、店員さんもたまげた。 「本当によろしいのですか?」と、念を押された。 でも夫の目の輝きは消えなかった。 私は怒りたかった。 小麦一匹でなんとかなっているものの、三匹になったら、手間が三倍になってしまう。 まして夫は朝早くから夜遅くまで帰ってこないのだから、必然的に私が面倒見るしかないじゃないか。 その事を告げると、「俺が全部やる!」と根拠のない返事をして、私は半場情けなくなっていた。 もうどうにでもしてくれ、好き勝手するがいい、私は餌やり叔母さんと化して、毎日掃除、餌、遊ぶを繰り返す毎日になるのだ。 夫は夏のボーナスを全て使い二匹を購入した。 本当なに考えてるんだか、馬鹿馬鹿しくてついていけない。
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