三匹の犬~小麦編~

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何故だろう、何故かその子が急に気になりだした。 こうなっては私を止めるものはいない、急いで店員さんに、「入り口にいるチワワ見せてください!」とお願いした。 母はびっくりしていた、突然の私の行動についていけなかった。 そのチワワは見れば見るほど貧相で、チワワのくせに目も小さいし、汚ない色をしている。 そしてまた私を馬鹿にしたような顔をしている。 普通の人なら、何だこいつ、と気にしないであろう。 なのに私は可愛いさっきのヨークシャテリアより、この子が気になって気になって仕方なくなっていた。 気付いたら、買っていた。 そのチワワは見てくれ悪いくせにそのペットショップの中で一番高かった。 後で知ったが、父親がチャンピオン犬だったそうだ。 ゲージを買い、犬は後日引き取りに行くため、重い荷物を抱えながら母と近くの喫茶店に入った。
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