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女子高生は不敵な笑みを浮かべて答えた。
「あなたが大好きだからよ!」
「わあぉ! 照れちゃう☆」
「観念しなさい! 逮捕よっ!」
女子高生は、先端が輪になった縄を投げ入れ、ゴシックフェアリーを見事に捕らえた。
「よしっ捕まえた! あれ!? イタッ!」
女子高生が縄を引っ張ると、捕まえたはずのゴシックフェアリーが消滅して、返ってきた縄がおでこに直撃した。
「消えた!? どこ!? ゴシックフェアリー、どこに行ったのよ!!」
ゴシックフェアリーはどこへ消えたのか。
(答えは下だったのにゃ☆)
女子高生には聞こえないくらいの小声で、ゴシックフェアリーはつぶやいた。
屋根を降りてすぐの壁に貼り付いて隠れていた。
「あぁん!! また逃げられたぁぁぁ!!」
「伊知香(いちか)ぁぁ! 大丈夫かぁ!?」
「パパぁ……あたしは大丈夫よ……ああっ、悔しいっ!」
伊知香と叫んだ主は、女子高生の父親で、多数の警官を引き連れていた。
(こりゃまた大勢で……退散しよっと☆)
こっそりと、その場から離れていくゴシックフェアリーだった。
「銭高警視、ゴシックフェアリーらしき者は見当たりませんでした」
「だそうだ、伊知香。今日は撤収だ」
「わかってるわよ! ぐぬぬ……次こそは絶対に捕まえるからねっ!」
女子高生こと銭高伊知香は、縄を噛みしめながら、決意を新たにするのであった。
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