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「「せーのっ!」」
「「大成功、イェーイ☆」」
ゴシックフェアリーとシスターは、大喜びでハイタッチした。息がピッタリ合ったその動きは、まるで双子のようだった。
「伊知香に顔を見られなかった?」
ゴシックフェアリーが心配そうにシスターを覗き込む。
「大丈夫ですわ。見られないよう下を向いてたから♪」
「なら、安心だにゃ。伊知香、鈍いもんねぇ☆」
「はい。では、スケッチブックは『本当の』持ち主にお返ししておきますわ」
「うん、よろしくぅ。今日の捧げ物収穫、おーしまいっ☆」
ゴシックフェアリーとシスターは、お互いを向いて目を閉じ、お祈りのポーズを取った。
「「神の御加護に感謝します、ハレルヤ☆」」
とある港町。小高い丘に高級住宅や洋館が立ち並ぶ中、中高一貫教育のお嬢様学校がある。
聖書、英語、音楽に重点を置いたキリスト教の学校で、校名は『エクレシア女学院』
この地域では知らない人はいない。制服を見ただけで、どこの学校か言い当てられる程だ。
銭高伊知香の学び舎は、女学院の高等部。ここで二年生として通っていた。
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