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『きょうは、おとうさんにおいていかれました。かなしかったです。おかあさんとホットケーキをたべました』
あー、あったな・・こんなこと・・・
朝起きた時、父さんが散歩に行くって言うから、一緒に行きたくて、急いで着替えて降りて行ったら、もう行ったあとだったんだ。
お母さんに、泣きながら「置いていかれた~」って言ったら「あらあら」って笑われて、一緒にホットケーキ食べたんだ。
今もそうだけど、ホントにマイペースだからな・・ウチの父さんは・・・。
苦笑いが漏れた。
きっと俺も学校で、相当マイペースなんだろうな。
(学校のルール、なにそれ? 迷惑かけなきゃいいだろう? 俺は俺だし)
こりゃ、父さんの血だな・・・。
『今日は、お父さんに見ていたテレビを消された。すごくむかついた』
違う日記を漁り、一番新しいものを捲った。
日付も自分で書いているし、漢字も使っていて、文も一丁前だ。
もうお母さんには見せていない、けど、俺は日記を続けていたんだ。
なんとなく、一日が終わった時に一言書くことが習慣になってしまった。
因みに、この日記は小学6年生。
中学入学と共に、俺はスケジュール帳を持つようになって、日記の習慣を止めてしまった。
今では、時々何かあった時にだけ、スケジュール帳のメモ欄に書く程度だ。
日記、復活させようかな・・そんな気持ちで、次々と日記を漁っている間に、あたりはすっかり暗くなり
「ごはんよ~!!」
ってお母さんに呼ばれるまで、押し入れの住人になっていた。
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