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次にとった団扇をそっと覗くと、世紀末の救世主がモヒカン野郎に秘孔を点いていた。
「それはケンシロウだよ!」
俺は団扇に頭突きをした。
「たかひろ君!?」
彼女は真剣な目でこっちを見ている。
「ごめん、でも大丈夫。後二枚ある」
俺は意味もなくそう呟いた。
これ以上、俺を怒らせたらあの物販を燃やす。
怒りを刻むために俺はきちんと団扇を見た。そこにはケンシロウがタバスコを加え、相手をギッタギタにしている姿が映っていた。どちらかといえばやられている方がバンドマンに見える。
……野郎、いい度胸してるじゃねえか。
俺が欲しかったのはハイドだが、ギターのケンでもよかった。それをあいつは踏みにじったのだ。
次に来るのは何だ?
もうここまで来れば俺の頭は冷静だ。どう転んでも、まともな画像が載っているわけがない。
そう覚悟して次の団扇を取ると、そこには可愛いお猿さんの親子が映っていた。
すでに人ではなかった。
「ユッキーじゃなくて、ウッキーってか……」
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