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誰かのノックが保健室中に響くような音だったので、
「ん……」
彼が目を覚ましてしまった。
あー、危ない。バレるところだった……冷や汗が一筋流れ、心臓が激しく音を鳴らす。
「い、いるわよ、入ってらっしゃい」
動揺丸出しの声でノックの主に言う。すると、勢いよくドアが開いた。
「失礼します、古賀先生」
全くね、と不謹慎にも思ったその相手は、彼の同じクラスで生徒会役員の綾津さん。
真面目を絵に描いたような、それでいて美人さん。噂によると、
「綿貫君、ここにいますよね?」
彼女も彼を狙っているらしいとのこと。
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