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「あぁ、綿貫君ね……」
まだもう少し一緒にいたい気分が先行して、返事を躊躇っていると。
「げ、綾津……」
運悪くこちらを覗きこんでしまった彼。綾津さんの顔を見て青ざめる。
「やっぱりね。はい、サボりおしまいー。教室戻りましょう」
「ちぇっ……」
彼はふて腐れながら綾津さんに連れられて保健室を出ていった。
ドアが完全に閉まったのを確認して、ガックリと肩を落とす。頬くらい、触ってみたかったな。
それにしても彼女……絶妙なタイミングで来たわね。彼が好きだから故か。
最大の恋のライバルは、彼女で間違いない。
この片想いは、前途多難だ……。
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