常連は、学園王子様

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「ったく、もう……」  既に寝息をたてている彼に今の呆れ声は届いていない。  保健室を何だと思っているのだろう。でも……。 「…………」  最近は彼が来ないと寂しいと感じる自分がいる。迷惑なんていうのは建前。  女子生徒に人気がある彼だが、実は……私もその1人。  赴任して半月で魅力に取りつかれ、本気で好きになってしまったのだ。  大学時代に酷い失恋をし、恋愛なんてこりごりだと思っていた私。  だけど、不覚にもこんなところで恋に落ちた。  勤務先の学校の、しかも相手は生徒だという。
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