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「…………」
2人きり。誰も見てはいない。
なら少しだけ……この顔に触ってみてもいいかな。
サラサラの黒髪に、荒れていないスベスベの肌。整った顔立ち……正に学園王子。
サボりを見逃してるんだ、ちょっとくらい見返りがあってもいいじゃない。
気付かれないように、ゆっくり距離を縮めて、そっと手を伸ばす。
どうか起きないで……触れるまであと少し……。
「すいませーん!」
ドンドンという激しいノックと共に大きな声が入り口の外から聞こえてきた。
ほのかな温かさを感じるまで伸ばした手を慌てて引っ込め、ベッドを離れる。
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