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凜と香澄の病室を後にして、朱理は宏美のところに向かった。彼女も同じ病院に入院している。
病室の番号を確認しドアを開ける。
「失礼します」
中に入ると先客がいた。
「あぁ、アカリン。いらっしゃい」
「宏美の教え子?」
「うん」
そこに居たのは宏美と同い年ぐらいの女性だ。
宏美の顔色も思ったより大分いい。
佐藤加乃子の事に加え、由衣の死がかなり堪えていると思っていた。
「お邪魔でしたら出直します」
「ううん、気にしないで。紹介するね、先生の中学時代の友達、竹田英梨」
「えッ? 英梨……さんって、まさか……」
加乃子とコックリさんをやった友達、英梨と美紀も亡くなったと宏美は言っていたはずだ。
「そう、ヒドイでしょ? 連絡がつかないからって、人を勝手に殺して」
「何言ってんのッ? 加乃子と美紀の事があったんだから当然よ」
「だからその事については謝ってんじゃん!」
「あの~、いったい何がどうなっているんでしょうか?」
「あ、ゴメンゴメン」
宏子の説明によると、英梨は就職先で中学時代の先輩と再会し交際を始めた。
ところが二股をかけられていることが判明し、別れるだけで済まず、職場にも居づらくなってしまった。
「結局、辞めちゃったの。それがきっかけで、中学時代の知り合いと何となく連絡を取りづらくなって。特に宏美とは、加乃子だけじゃなく美紀の事もあったから、なおさらね……」
ところが数日前に、天城翔を名乗る探偵から電話があり、宏美が入院したことを知らされた。
いたずらと思ったが、念のため宏美の実家に連絡したところ事実であることが判り、慌てて面会に来たのだ。
「でも、宏美の両親が依頼したんじゃなかった」
「ワタシだって探偵なんて雇ってないわ」
朱理はピンときた。多分、依頼したのは叔父だ。
「ホントに良かったですね」
「えぇ」
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