〔十四〕第三八千代病院

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 凜と香澄の病室を後にして、朱理は宏美のところに向かった。彼女も同じ病院に入院している。  病室の番号を確認しドアを開ける。 「失礼します」  中に入ると先客がいた。 「あぁ、アカリン。いらっしゃい」 「宏美の教え子?」 「うん」  そこに居たのは宏美と同い年ぐらいの女性だ。  宏美の顔色も思ったより大分いい。  佐藤加乃子の事に加え、由衣の死がかなり堪えていると思っていた。 「お邪魔でしたら出直します」 「ううん、気にしないで。紹介するね、先生の中学時代の友達、(たけ)()()()」 「えッ? 英梨……さんって、まさか……」  加乃子とコックリさんをやった友達、英梨と美紀も亡くなったと宏美は言っていたはずだ。 「そう、ヒドイでしょ? 連絡がつかないからって、人を勝手に殺して」 「何言ってんのッ? 加乃子と美紀の事があったんだから当然よ」 「だからその事については謝ってんじゃん!」 「あの~、いったい何がどうなっているんでしょうか?」 「あ、ゴメンゴメン」  宏子の説明によると、英梨は就職先で中学時代の先輩と再会し交際を始めた。  ところが二股をかけられていることが判明し、別れるだけで済まず、職場にも居づらくなってしまった。 「結局、()めちゃったの。それがきっかけで、中学時代の知り合いと何となく連絡を取りづらくなって。特に宏美とは、加乃子だけじゃなく美紀の事もあったから、なおさらね……」  ところが数日前に、(あま)()(しよう)を名乗る探偵から電話があり、宏美が入院したことを知らされた。  いたずらと思ったが、念のため宏美の実家に連絡したところ事実であることが判り、慌てて面会に来たのだ。 「でも、宏美の両親が依頼したんじゃなかった」 「ワタシだって探偵なんて雇ってないわ」  朱理はピンときた。多分、依頼したのは叔父だ。 「ホントに良かったですね」 「えぇ」
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