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僕はどうしてここにいるのか。
血塗られた剣を右手に垂らし、力なく倒れていく「誰か」を見下ろした。
僕は何のために彼を殺し、彼は何のために死んだのか。
この小さな紛争の意義はなんだったのか、知っている人間はこの戦場にいないのだろう。
きっと、誰もそんなことに、気づきもしない。
ただ目の前の「死」から逃れるため、金を稼ぎ、女を買い、欲望で思考をみたす。
それは、それぞれが帰りゆく場所で待っている死刑台から逃れるため。背後に感じるその気配から、その寒気から、その恐怖から。
ほとんどかたのついた戦場を見渡し、その血塗られた人々に尋ねてみたかった。
「何のために生きている?」
とにかく僕は、剣を握り直し、そして、新たな、無意味な死を生み出し続けた。
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