2章 -再会-

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「お、れが、あ……いてだ……しよう、ぶた……? ああ、勝負だか」  ミミズが這ったような汚い文字と幼稚園児並の絵に、まるで古文書を解読しているような気分だった。  それでも話は面白いので自然と次のページをめくろうとしたその時、 『なー、もうその辺にしてくれないのブタ?』  どこからともなく声がした。 『字は間違えだらけだし、絵は落書きレベルだし、何より未完成だし、カツオだし、昆布だし』  僕はノートから顔を上げ、室内を見渡した。 「だ、誰? 誰かいるの!?」  いるハズが無い。ここはマンションの5階で、窓にも鍵がかかっている。  怖くなった僕は慌ててベッドから降り、部屋を出ようとしたその時、 『おいおいおいおいオイラだよーん』  白装束を着た変顔の何かが逆さまに降って来た。
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