1章 -惜別-

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「こ、こんにちは。ボク、標部小で笑太君と友達だった仲田(なかた)です。笑太君いますか?」  おばさんは数秒間虚ろな目で僕を見詰め続けると、明らかに作ったような笑みを浮かべて言った。 「遠いところありがとうね。入ってちょうだい。笑太も喜ぶわ」  通された部屋で、僕はすぐに天野君と対面する事ができた。  久しぶりに見た天野君は、相変わらず笑っていた。  写真の中で。  その回りには花や人形やぬいぐるみが飾られ、お菓子や果物が供えられている。  僕はその意味を理解すると、頭の中が一気に真っ白になった。
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