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駅までの道のり、電車の中、そして家に帰っても、僕の心はずっと上の空だった。
去年まで同じクラスで勉学を共にし、アラワシ団の仲間だった天野君が亡くなっていたと知り、やるせない気持ちでいっぱいだった。
おまけにおばさんに口止めされているので、誰ともこの悲しみを共有できない。遠出して余計な心配をかけたくなかったので、天野君のところには内緒で行ったため父と母にも話せない。
僕は気を紛らわせるべく、ベッドに腹ばいになって電気スタンドの明かりを例のノートに照らし眺めていた。
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