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少し経ち、
初老の釣り人は餌を付け替えようとリールを回し、
釣り針を手繰り寄せ慣れた手つきで餌を付ける。
竿を投げ入れようとしたその時、
小学校低学年程の男の子が近くにやってきた。
子供に針が刺さってはいけないと思い、
釣り人は一度竿を下げる。
男の子が後ろを通り過ぎる時に、
釣り人は振り返り男の子に微笑む。
「僕、
あんまり川のほうは行くと危ないぞ」優しく言う。
男の子はこくりと頷き後ろを通り過ぎる。
釣り人は前を見て竿を振る。
小学生の兄弟らしき子供の声が元気良く響く。
「壮志!!先行くなって危ないぞ!!」
「兄ちゃん、
早く!!こっちの下も探検だよ」
兄をだいぶ引き離し男の子は先へ進む。
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