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初老の男性は穏やかな表情を浮かべ近くに来た弟らしき子に声を掛ける。
「僕、
探検かい? 宝箱見つかると良いね」
小学生の息子二人を連れて釣りに来ていた柳井健一は先程から息子二人が釣りに飽きて探検するという名目で傍を離れ出したので時折目線を向け確認しつつ、
六年生と三年生、
そこまで注意深く見ていなくてもいいか…………と視線を戻し水面に漂う浮きが時折微動し描く波紋を見つめた。
何十分かが経っただろうか「ぎゃーっ!!」「おぇーっ!!」聞きなれた二人の息子たちの声が聞こえ柳井はすぐさまその声の発せられた方へ視線を移すと同時に釣竿を足元に置き駆け寄った。
姿は見えない。
河川敷が一段下がった所の先の草むらに息子たちが見えた。
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