第一章 連続死体遺棄事件発生! 真田睦月巡査

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「右手なんだけどね……指紋は削り取られて目立った特長無しだね。 まあ、 手だけだし詳しくは科捜研での検証になるが、 見立て殺害後すぐに冷凍されとるね。 それと死体の有ったクーラーボックスの蓋裏面にワープロ印字されたメモが貼っつけてあったね」  メモ? 二人は捜査員達の合間を縫うようにクーラーボックスまで急いだ。  先ほど居た河川敷より傾斜があってさらに一段下がった水際に近い草むらの現場に着くと、 最初に到着し初期捜査に当たっていた機動捜査隊の三十代の刑事が水澤の姿を見つけ声を掛けてきた。  水澤もよく知る顔だ。 「水澤さんお疲れ様です。 現在、 創成川と茨戸川の河川敷を広域にわたり捜索していますが、 今の所、 他の部位は見つかっていません。 第一発見者は父親の柳井健一さんと釣りに来ていた六年生の健志君と三年生の壮志君という兄弟で、 壮志君が釣りに飽きて、 お兄さんと探検に行くと父親に言い、 向こうの河川敷からこちらへ降りてきて先に着いた壮志君が、 このクーラーボックスの中を空けて見たそうです」  
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