第一章 連続死体遺棄事件発生! 真田睦月巡査

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 札幌市西区の整形外科病院。 午前九時の診察開始から早々に、 受付には次々と患者が現れ待合室の長椅子を埋めていく。 これから十一時までは午前の診察時間のピークである。 「木村正一さん!!診察室二番へお入りください」  六月というのに、 長袖の木村正一は待合室の椅子から立ち上がる。 長袖なのは、 若りし頃の彼の“職業”に関係する。 当時は、 腕をさらけ出し肩で風切り歩いていただろう。  引退したとはいえ、 このご時勢半袖姿で“それ”を露出させ、 周りの人々に威圧を与えるのは申し訳ない。 そんな理由で木村は夏でも長袖で通す。
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