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木村は休日はだいたい、
お決まりの釣り場に釣りに出かけるのだが今日は持病の腰痛の診察で、
九時から自宅近くの整形外科に来ている。
もちろん診察が終われば、
今日も釣りに行くつもりであった。
その約七時間後、
そこへ水澤と真田は向かっていた。
石狩手稲通りを急ぐ。
フロントガラス正面に手稲山の緑々とした稜線が見える。
(大変な事件になるかもしれない)
真田はそれを眺めながら、
つい二ヵ月前のことを思い出していた。
手稲山の稜線も、
まだ頂上付近が白みがかっている頃だ。
真田睦月はその日、
刑事になった報告をする為に恩人である人の下へ向かっていた。
九歳の頃の悲しく辛い出来事で警察官という職業に嫌悪を抱いた事もあったが、
この恩人の様になりたくて警察官を目指すことになった。
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