第一章 連続死体遺棄事件発生! 真田睦月巡査

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 地下鉄東豊線の豊平公園前で降りる。 地上に出て、 すぐ近くの札豊署に入っていき、 上階の署長室へ向かう。  ノックして署長室に入ると、 白髪がすっかり頭全体を覆う初老の男性が嬉しそうに出迎える。  恩人の名は、 榊栄一郎という。  榊は革張りのソファーに真田を座らせると、 すっかり皺の目立つ目尻を下げて嬉しそうに言う。 「いやあ、 睦月ちゃん。 嬉しいねえ。 お父さんと一緒の刑事になったとは。 同じ札東署で部署は違えど、 君のお父さんは大変優秀な後輩だった。 その娘の睦月ちゃんなら、 いい刑事になるなあ」  と、 目尻を下げて感動し泣きそうな位に喜ぶ榊。
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