8人が本棚に入れています
本棚に追加
「お父さんはあんなことになって残念だったが天国で必ず泣いているよ。
しかしあの小さかった睦月ちゃんがねえ……嬉しいねえ」
「榊さん、
父なら娘が刑事になって喜んで踊っているじゃないですか?」と突っ込む。
小さい頃、
父が家で飲みましょう! と唯一連れて来る上司が榊であったのと榊も父に似て陽気で面白いおじさんだとを思っていた事を真田は思い出しつつ返す。
「いやいや、
睦月ちゃんは、
あの時九歳だったかね? お父さんはね、
実はああ見えて涙もろいところもあったんだよ」
「意外ですね……家には仕事のこと持ち込まずに、
ひょうきんで陽気な父でしたから……」
「ところで、
美人なお母さんは元気かい? 義父さんとも仲良くやっているかい? でっかい豪邸も建てたんだろ?」
「ええ、
今は私は高校を出てから一人暮らしですが……母は父が亡くなって、
榊さんにはその後就職先など世話してもらい、
本当に感謝しています。
義父も金銭面では私を私立の高校に進学させてくれたり、
御世話になってます。
ただ、
仲が悪いわけではないのですが、
義父の職業はあまり好きではないです」
「薄野で飲食店やビル経営じゃないか? 何で嫌なんだい?」
「やはり、
最初のコメントを投稿しよう!