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どうやら二階はVIP席のようで、テーブルと椅子があり、スタッフが食べ物を運んできてくれるのでゆっくり下の様子を眺めながら食事ができるようだ。
まるで別世界にいるようだと思った。
絨毯や椅子などの調度品、食器やグラスまでも細部に至るまで繊細な高級品で、何より来ている人々が華やかだ。
服装が派手なだけではなく、風格やオーラがまるで違う。
同じ人間なのにこうも違うのかと思うと、胸やけがする思いだった。
すれ違う人々は私を見ると、まるでゴミでも入ってきたかのような目線を投げる。
細部までこだわり抜かれたこの豪華客船で、私は明らかに雰囲気を損ねる邪魔者だった。
冷たい視線に気付きながらも、まったく気にしていない堂々とした素振りで、中央に置かれているオードブルに手を伸ばす。
大皿に目についたものを片っ端から取っていって、山盛りになった皿を抱えながら、一番目立たなそうな奥脇の椅子に座る。
態度はでかく、無遠慮に次々と取っていたものの、心は萎縮していたので、綺麗な盛り付けをじっくり眺める時間はなかった。
何がどの食べ物なのか分からないほど、大皿によそったので、せっかくの豪華な料理が台無しだ。
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