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全国大会で優勝した日に、宮間が亡くなったとの連絡があった。
末期の肺癌だったらしい。
とても走れる状態じゃないのに、なぜ宮間はあんな状態で大会に出場したのだろう。
その答えは宮間の母親からもらった手紙に書かれていた。
『草薙、お前とは大会でいつも会っているが、ちゃんと話す機会がなかったな。
いきなりで気持ち悪いかもしれないけど、俺はお前に感謝してるんだ。
俺がここまで強くなったのは、間違いなくお前の存在のおかげだ。
全国大会の決勝より熱い走りがお前とはできたよ。
結果は俺が勝ち続けたが、勝負はずっと紙一重だったよ。
本当にありがとう。
後、この手紙を読んでるってことは俺はもういないのかな?
地方予選はどっちが勝ってるんだろうな。
さすがに今年はお前の勝ちかもな。
でも、俺は最後まで全力でお前と勝負するつもりだ。
それがお前への俺なりの感謝の印だから。
最高のライバルへ
宮間祐介 』
俺の目に次々に涙が溢れてくる・・・・拭いても拭いても溢れてくる。
宮間は俺のことをライバルだと思っててくれたのか・・・
俺はただ敵意しかあいつに向けてなかった・・・
手紙を握りしめ、俺は涙を拭くのを諦めた。
天を見て、空の向こうにいるライバルに最後の別れを告げる。
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