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アビス軍が正式採用した量産機コフィン。
既存の物を転用、改修しただけで、固定武装も無く、たいした性能はない。
しかし作業用の人型重機がベースとなっている事から、高い生産性と汎用性で今日まで戦線を支えてきた。
ジルウィード機であるロイヤルコフィンは、軽量化と出力強化がされた高速戦闘仕様である。
しかし、操縦が困難な為、一部のパイロットにのみ配備されていた。
その性能は、技術力で上回るセレネ軍の機体とも互角以上に渡り合うことができるのだ。
暑苦しいパイロットスーツの中で戦況を整理する。
追撃がないのは新型機の武装はチャージが必要か、何か不具合が発生したのだろう。
戦場では操縦技術よりも的確な状況判断が重要となる。
「戦況は劣性。敵も味方も散々、フォーメーションを立て直す時間はないな」
敵も砂嵐の影響からか、隊列が乱れていた。
被害を抑える為にも、こういう時は頭を潰すしかない。
「軍曹聞こえているか?」
「はっ!」
通信を続けながらフットペダルを踏み、一番近くの敵機に猛スピードで近づく。
「引き続き白兵戦で各個応戦。新型は俺がやる。突破されるなよ」
「了解です」
ロイヤルコフィンが急速に間合いを詰めている事に気付いた敵機はこちらに銃をかまえる。
「遅い!」
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