プロローグ

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「逃がすか」  防いだ盾をそのまま敵機に向ける。  盾の内側に取り付けられたアンカーを射出し、敵機に打ち込んだ。  そして全出力でアンカーに結び付けられたワイヤーを巻き取り、捕らえた敵機を引き寄せ、振り回す。  パワー負けした敵機は、ロイヤルコフィンと狙撃手との直線上へと引っ張られた。  次の瞬間、盾からは役割を果たしたワイヤーが巻き取るウィンチごとパージされた。 「二つ目」  無数の30mm鉄鋼弾が打ち込まれた敵機は、あえなく爆発した。  辺りには爆発による煙が立ちこめ、狙撃手からこちらを隠す煙幕となった。  ロイヤルコフィンを見失った敵機は、闇雲にランチャーを放つ。  しかし目標の破壊には至らなかった。  爆煙の中からフルスピードで飛び出した銀色の機体は、敵が再びランチャーを構える間を与えなかった。 「もらった!」  突き上げた右腕部のクローは、敵機の動力炉を避けて的確に胸のコクピットを粉砕した。  そして搭乗者を失った敵機は、力なく沈黙した。
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