第1章
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母がアルツハイマー型認知症になった。 いまどき、めずらしいことではないのかもしれない。 今日も、ぎゅうぎゅうに詰まった この赤い電車に揺られ、ワタシの1日が終わる。 叔母たちに『最近、めっきりお母さんにそっくりになってきたわね。』と言われる ワタシの顔が、電車の窓に映る。 昨日とたいして変わり映えのない今日。 でも、娘であるワタシのことを、母が認識できなくなる日が1日近づいただけかもしれない。
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