第1章

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新しいことを覚えることが困難な病気であるにもかかわらず、母は 父の入院した病院へは バスに乗り1人で迷わず 行き帰り出来る。 父とのその日の会話は、ワタシにも教えてくれるのだ。 父は母が 忘れてしまうことを恐れたのか、ありったけの『ありがとう』を何度も何度も繰り返し母に伝えていた。 暑い暑い夏の日に、大好きだった『五番街のマリーへ』を聴きながら、父は逝ってしまった。 ワタシの父を病気が消してしまった。
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