湖の約束 3

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―ん…ん…いやだ… ―ユウシ,可愛いね,僕をブライスだと思って身体が反応してる…  ユウシ,ブライスと繋がりたいと思っているんだね… ―ユウシ,僕がブライスだ,だから,良いんだよ… ―あ…あぁ,やめてっ,先生っ… 「…俺,ハーヴィッツ先生に…」  優志の両頬を、静かに涙が流れた。 「…身体を…許してしまったんだ…」  ブライスは反射的に優志を自分の胸に引き寄せて,強く抱きしめた。 ブライスは左胸に熱い涙が浸みるのを布越しに感じて,優志の頭に頬を寄せた。しばらくそうしてから,優志がブライスから身体を離す仕草をした。 「ブライ,…話を聞いてほしい…」  ブライスが腕の力を緩めると,優志が少し離れていった。 「優…言いたくなければ,無理に話さなくてもいい。俺は優に全てを教えて欲しいと望んでいるわけではないんだよ」  優志はブライスの顔を真正面から見返した。 「ずっと言えなかった,ブライに…。苦しかった…。俺がここしばらくおかしかったのは,ハーヴィッツ先生とのことのせいだし,それを隠そうとして講座の演習に悪影響を与えてしまった…グループのメンバーにも迷惑を…。けれど一番辛かったのは,俺がブライに隠し事をしているってことだ…」  優志の表情はすでに意を決しているものだった。しっかり食べたのも,もう気持ちを固めていたからだろうとブライスには思い至った。 「わかった…優が話してもいいと思うのなら…」  優志はベッドの上で胡座をかき,視線を自分の脚に落とした。ブライスは後ろに回り込んで優志を自分の両脚で挟み込んだ。両腕は優志の腹の前に回して抱きしめる。 「…2年次の秋に日本に来た彼は,親切に教えてくれる先生だった。4年次で卒論と大学院進学の準備と英語の資格証明を取るのと,どれにも彼が関わって指導してもらうことは多くなった。けど,ブライスがずっと注意してくれてたように,ふたりきりになることは避けていたんだ。彼に限らず,誰とでも…」  メッセージアプリで毎日連絡を取り合っていて,ブライスもそこら辺はよく把握していた。じゃあ,どうして…。 「…12月に入って全て準備が揃って一段落した頃,他に2,3人学生がいる研究室で俺に訊いてきたんだ…『ユウシはワシントン大のブライスと付き合っているのか』って…」
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