湖の約束 3

53/102

151人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ
ブライスは微笑んで優志の上をせり上がり,望みのものを与えてくれる。口の中を少し潤して,それを優志と分かち合う。優志が味わえるように。 「…ん,っく…」  ブライスの口から流れ込む潤いを,不味い,と優志は思う。しかし吸わずにいれらない。自分の迸りを呑み込んだ愛しい男と,それを共有したくなる。  唇を離して起き上がったブライスは,「水分補給しないと…まだまだ先は長いし」と笑って冷蔵庫に向かった。  ブライスの躰は格好いい,と優志は思う。水泳をする者だけが得られる少し広い肩幅と発達した三角筋,そしてボクサーパンツの中には絞られた腰,そこから長い脚が伸びている。ブライスの脚の筋肉はひたすら縦に伸びる種類なのだろう,盛り上がってはいない。もちろん腕も長い。身長185㎝ほどのバランスの取れた躰つきは完璧だ。 優志は,ブライスの躰をこうしてじっくり眺められることを,幸せだと思った。 「俺の躰を観てるのか?」  ミネラルウォーターを渡し,二の腕に力こぶを作ってブライスがおどける。 「ああ,格好いいなって思って…」 「優に気に入ってもらえるように,運動は続けていたから」  笑って優志をベッドに誘った。  始めは優志が上になってブライスの唇にそして胸と腹に口づけした。それから,もう我慢できない,とブライスが身体を入れ替えて上になった。  唇を合わせ舌を絡ませて強く吸われると,優志の意識は口に集中する。ブライスに合わせて吸い合ううちに,息を吸うのを忘れて苦しくなるから時々唇を離して大きく息をする。その呼吸に合わせて,優志の昂ぶりはぴくりぴくりと確かな形を取り戻そうとした。 「ああ,元気だな」  するりとブライスがそこを一撫でして,耳に唇を寄せてくる。舌で耳たぶと窪んだ部分をチロチロと舐め始めると,優志はああっ,と呻いて身体を仰け反らせた。 「ここ,好きだったよな…」  いきなり耳の穴に尖らせた舌先を差し込んで,小刻みに抽送を始めた。 「はぁっ…あ…ん,はぁんっ」  優志は自分の口から漏れた喘ぎ声に戸惑った。昔観たAV女優の声みたいだ…と。そして自分の声に反応してしまったことにも驚いた。 ―耳,確かに…好きなんだけど…もうっ!  優志はブライスを押し返した。 「ダメだ,すぐイってしまうっ」
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

151人が本棚に入れています
本棚に追加