湖の約束 3

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必死な形相を作っていると自分でも思ったが,ブライスはそんな優志を見て少し同情して「わかった」と答えた。そしてその舌が向かった先は胸の粒だった。  くるくると尖りの周りを舌でなめ回して刺激し,中心の舌で押しつぶす。それから唇で挟み込んで口中に吸い上げる。口中で舌が尖りの先端をチロチロと擦る。もう片方の粒は指で随分と乱暴に捏ね回されていた。  そこはブライスと逢う度に感度が増したところで,1年ぶりだとどうだろうと思っていたが,徐々に優志の吐息は荒くなってきた。両方を交互に愛撫されて熱が高まる。 「ふっ…はぁっ…あ…っ」  優志の昂ぶりはいつの間にか自分の腹を叩いていた。  ブライスは手を下に伸ばして,熱い昂ぶりを握り込んで遠慮無く上下に扱いた。 「…あっあっ,あーっ…んっ」  両脚の膝を立て,足裏でシーツを強く押しつけて何とか留まった。 「はーっ」  大きな波をやり過ごして息をついていると,突然ブライスがじゅうっと粒を吸い上げて,同時に昂ぶりの上部を激しく扱いてきた。そして親指で先端の柔らかい部分をくりくりと押し回したとき,優志は大きな波に呑まれてしまった。 「あーっっっ…あ,あっ,あ…はぁ…」  飛沫が優志の下腹とブライスの手を盛大に濡らした。 優志がきつく閉じた目を少しずつ開いていくと,ブライスが優志を見下ろしていた。瞬時に優志の眼差しに申し訳なさが滲んだ。俺だけ先に達して…と。 「優が俺の愛撫にこんなに感じてくれて,俺にいい声を聞かせてくれて,とても嬉しい。もっともっと優を喜ばせたいよ。愛してる,優…」  ブライスは濡れた手を優志の下腹部に置いたまま,もう一方の手で優志の頬に手を添えてゆっくりと口づけをした。先ほどの快感の名残と,口づけから注がれるブライスの愛情のために,優志の両方の目の縁から涙が溢れた。  膨らんで弾力が生まれた優志の唇を舐め味わい,唇を離したとき,ブライスは優志の涙に気づいた。それを親指の腹でぬぐい,目の縁にもキスをする。 「愛している,ブライ…。俺の全部を捧げたいよ…」 「じゃあ…遠慮無くいただく…」  優しい眼差しとは裏腹に,優志の下腹部から迸りを集めたブライスの手が,言葉通りに遠慮無く優志を侵略していった。
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