湖の約束 3

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 ようやく唇を離したとき,はぁっと優志の口から吐息が漏れて,表情は蕩けていた。そんな優志を,ブライスが愛おしそうに両手に力を込めて抱きしめる。  と,無意識に,優志がブライスに僅かに腰を押しつけていた。あっと,小さな声を上げてブライスは自分の腰を引いた。 「…俺は優に愛される資格があるかな…」 「…え?どういうこと」 「俺,確かにゾンビだ。優,俺,…まだ,その,勃たないんだ…」  ブライスが辛そうに目を伏せた。 「どれどれ…」  優志の狭い部屋にあるベッドの上で,ブライスは日本語でその言葉を聞いた。かなり日本語は学んだが「どれどれ」という言葉を聞くのは初めてだとぼんやり思う。どういう意味だ…。  枕の上の頭をもたげて自分の股間を見る。ブライスの下着を膝まで下げた優志が上からの視線に気づいて頭を上げ,目が合ってにっこり笑う。 「久しぶり…こう,ひっそり横たわっているのを見るのは,あんまりなかったな…」  確かにそうだ,とブライスは思った。大体これを晒すときは容積が5割は増していた。今,自分がものすごく無防備なようで落ち着かない。  勃たなくていいから一緒に夜を過ごそうと言われ,思った以上にほっとして優志の部屋についてきた。しばらく抱き合って口づけを堪能し,自分は許されたんだなと,しみじみ優志の愛情を再確認した後,思いがけないことを言われた。 下着の中を見たい…そう言われて躊躇しているうちに押し倒されてこんな状態に至っている。 「綺麗だよ…。柔らかでくたっとしていて…ん,すごく,可愛い…」 「…優,やめてくれ…」  両手をついて上半身を持ち上げようとした途端,優志が両手を使って結構な力で胸を押し返した。枕の上にバフッと倒れて,これは羞恥プレイなのかとブライスは戸惑った。  そうしている間に下着とハーフパンツをまとめて脱がされて床に落とされた。 「Tシャツは敢えて残しておこう…」  意味がわからない。 「おい,優…うっ」  優志がブライスの柔らかな茎をペロリ舐めだした。舐められる感触とその光景とに,背中にぞわりと旋律が走った。言葉もなくその光景に見入ってブライスの息が荒くなった。  しかし,柔らな茎には何の変化も生じなかった。
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