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辛そうにブライスは続けた。
「 前を膨らましてるの親に見られたらマズイと思って部屋からは出られないし。
やっと収まった時には疲労困憊,げっそりしてたのが自分でもわかったよ…」
「大変だったね…」
優志はブライスを気の毒そうに見下ろして,前髪を梳いて後ろに撫でつけた。
「身体機能に関しては問題ないと思うんだ。精神的な問題だ…」
「俺がこうやって…協力したら…?」
優志は目を細めて唇を丸めた。そこに左手の人差し指と中指を吸い込ませて唾液で濡らすと,ブライスのTシャツの裾から左手を忍び込ませて胸の尖りを捕らえた。
「っ,優っ!」
「…しっ」
優志の唇がブライスの唇を塞いで,指は尖りを弄り続ける。ブライスの肌を晒した脚に自分の脚を絡ませて誘うように動かす。ブライスは諦めて優志の好きなようにさせることにした。
優志が服を脱いで身体を重ねてくると,先端が濡れそぼった昂ぶりがブライスの柔らかな部分に当たる。それが上下に動かされると奇妙な感じがして,ブライスは気になって仕方がない。優志との口づけも上の空になる。とうとう優志が口を開いた。
「ブライ,何気にしているの?」
「優,やっぱり俺…」
くるりと優志の身体と上下を入れ替えたブライスは,すかさず優志の唇を覆って激しく求めた。優志もブライスの背中に腕を廻す。
「ふっ…んんっ…」
漏れ出る優志の喘ぎを聞いて,ブライスは定位置に着いたような安心感を得た。
―もっと,もっと良い声を聴きたい…
ブライスは酸素不足に喘いで瞳を潤ませている優志の唇を解放し,大きく息を吸っている間に耳に唇を寄せた。
「わっ…ブ,ブライ…ちょっと手加減して…」
「ん?」
「昨日,この階に一人戻ってきたんだ。隣の隣の部屋…。だから,…あんまり激しくしないで…」
恥じらって頬が赤らんでいる。ブライスの腹にずん,と熱く滾る感覚が生まれた。
―自分から誘っておいて,そこは気になるか…
くすっと笑ってブライスはわざと耳の中に甘く囁いた。
「大丈夫だよ。ここは院生が多くてみんな大人だ。そこはお互い様だ。深夜に及ばないように気を付ければ苦情は出ないよ」
そのあとしばらく,優志はブライスの愛撫に翻弄され快楽の波にさらわれた。そして我慢しきれずに漏らした悦びの喘ぎ声が,優志の部屋のある階に艶やかに流れていった。
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