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ブライスが満面の笑みを浮かべて優志に口づけをした。小さく啄むような口づけを繰り返すと,優志がこらえきれずにブライスの頭を強く引いて,ふたりは貪るような口づけを繰り返した。
口づけをしている間に,ブライスは優志の中をゆっくりと進んでいた。狭いけれど,苦しいくらい狭いけれど,押し返されることはない。長い時間をかけてブライスの腹が優志の身体と接触した。
強く吸い合っていた唇を離して,ブライスは優志を見やる。
「優…全部入った…」
はっとした優志が下腹部を見たそうな仕草をしたから,ブライスは胸を離してそこが見えるようにした。
「すご…い…」
単純にそう思ったのだろう。優志の記憶にあったのよりも圧倒的に大きなブライスのそれが,自分の中に全て収まっていることに驚いている。
久しぶりではあったがゆっくり入ってきたから痛みはなく,そこに自分を拓いて存在するブライスをしみじみと受け止めた。そして自分がブライスを受け入れる器官をもっていたことを本当に久しぶりに実感した。
「ブライが全部,俺の中に入ってる…」
「やっと,ひとつになれた…。長かったな…」
「そうだな,はやぶさの帰還くらい長かったな」
「ぷっ,なんだそれ…。まぁ,帰還後の歓迎が熱烈であることを願うよ…」
「こんなに,歓迎してるじゃないか…」
「ん,確かに熱いな。…俺,あとで優のシャンパンを所望したいんだが…」
「…シャンパン?」
「優,温泉宿でふるまってくれただろ?」
ブライスが含み笑いをする。それが優志の中に伝わって,そこが切なくなって優志は身じろぎした。
優志は秋保温泉での夜を思い出した。激しい夜だった。それまで味わったことのない身体の反応がブライスによって生み出された。あの強烈な感覚を思い出して,一瞬ののちに生じた戦慄が背骨から下半身にかけ下りていった。
「くっ,優…締め付けてる…」
「あ,ごめん,だって温泉の夜のことを思い出させるから…」
「…興奮する?」
「と,当然だろ?」
「あのときの優,本当に色っぽかった。言ったよな…『壮絶に綺麗だ』って…」
ブライスの瞳が優志を熱く捕らえて,温泉での優志の姿を探っていた。
「…うっ!ブライっ!…ちょっ,大きく…なったんだけど,さっき以上に大きくなるってあり得ないんだけどっ!」
優志が苦しそうに訴えて下唇を噛んだ。
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