湖の約束 3

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―まずい…,優が締め付ける上に,俺に薬が効いてきたんだ…  ブライは焦った。優志がリラックスしないとふたりとも苦痛を味わうだけだ。 「優,上になったら,どうかな…」  ブライスが優志の背中に手を廻して引っ張り上げ,自分はベッドに沈んだ。優志は不安な表情をしながらもブライスに跨り,浅く呼吸しながら落ち着く体勢を探した。  少しすると結合している部分が互いに馴染んだようで,優志は落ち着いてきた。ベッドに両膝を付いた以外の全体重をブライスの腰に預けて,優志は深く息をした。 「どうだ?」 「いい…。ん…感じるよ,ブライの熱と脈動。凄いな,ここら辺まで来てるんじゃないかな…」  優志は自分の臍の辺りに片手を当てた。ブライスは目を細めて片方の手を優志の腿に添え,もう片方の手で優志の手を退けて臍周りを撫で回した。自分が優志の中でどんな風に迎え入れられているのかを思って,胸が熱くなった。 「ああ…俺,ブライでいっぱいだ,ブライで満たされてる…」  ブライスの腹に両手をついて,優志は目を閉じて胸と喉を仰け反らせる。ブライスは,懸命に自分を受け入れている健気さをその姿に感じた。  優志の下になっている腰をゆるりと回してみる。んっと優志は反応したが辛くはなさそうだ。腰を両手で支えて自分の腰を下から打ち付けてみる。 「あっ…あっ…」  苦痛ではなさそうな喘ぎを漏らす。 「優,腰を上下に動かしてみて…自分の好きなペースで…」 「え?…ああ…こう…かな」  優志は両手をブライスの腹に乗せたまま,ほんの少し尻を浮かせて様子を見た。そしてひどい痛みがないとわかると僅かな上下を数度繰り返した。 「んっ…んーっ」  内臓を突く違和感が腹に広がるが,その中に懐かしい感覚,長い間切望してやまなかった感覚の片鱗を感じて,優志はそれに向かって自分を鼓舞した。  優志の上下の動きがほんの僅かずつ大きくなる。  優志の腰を両手で支えていたブライスは,片手を優志の幾分柔らかくなったモノに伸ばしてさすった。優志が切なさそうな喘ぎ声を漏らす。その声を置き去りにしてブライスは手を離した。  すぐに茎の裏側の筋に指を当てて下方へと辿り,伸縮する袋から両脚の真ん中に伸びる縫い目を撫でて結合部に辿り着く。と,優志の動きが止まった。優志もそこに神経を集中させている。
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