湖の約束 3

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ふたりとも少しうとうとしたらしかった。優志がもぞもぞし始めたのでブライスの意識がはっきりと戻り,優志の後ろからまわしていた腕を緩めた。  優志は身体を捻り,ブライスの方を向こうとしたが,浴衣がまとわりついて邪魔になっていた。 「ブライ,これ,もう脱いでもいい?」 「いいよ…」  上半身を起こして浴衣から手を抜き,床に落とした優志は,ブライスに向き直って横たわった。 ブライスは片手を優志の首の下に当て,もう一方の手で優志の頬や耳や髪の毛をゆっくりと撫で回す。浴衣を脱ぐっていう動作も,色っぽいなと,にやけるのを止められない。 「で,どうだった?久しぶりの俺のスーパー・ブライス・ロケットは…」 「ははっ,…すごく,良かったよ…」  優志はブライスの鼻に,頬に,額に,そして唇に,小鳥がえさを啄むようなキスを与えた。ブライスは目を瞑ってその可愛いキスを甘受し,満足げにゆるりと目を開けた。  うっとりとした表情の優志が手を下に動かして,ブライスの未だ変わらず大きな昂ぶりをそろり撫でた。 「…ブライスが勃たない間,俺,そのままでもいいかなって思ってた。心が通じ合ってれば,挿れる挿れないは,あまり問題じゃないって思ってた…」 「知ってたよ…」  優志の手がやんわりとブライスを握り込む。 「本気でそう思ってた…だけどこうやって繋がると…分かち合うっていうのかな,満足の質が違うよな…」 「そうだな…セックスの持つ力は計り知れないな。また優と分かち合えて,俺は天に昇って木星のガスに頭から突っ込んでいける気分だ」  ふふっと笑った優志が,ブライスの視線を捕らえた。ブライスの胸元辺りから見上げるように見るから,見事な三白眼を作っている。 「で,このスーパー・ブライス・ロケットは,あんなに大噴射しておいて未だに…」 「うっっ」 「…この容積と重量感,それにこの硬度を保ってるって…どういうこと?」  優志の手がきつく昂ぶりを掴んでいた。 「…っ,俺にとってはものすごく久しぶりだから…まだまだ元気で,再発射可能なんだと…」  優志は三白眼のまま眉間を寄せた。 「…事実を言おうよ,ブライ。嘘は嫌いだ…」  手の締め付けを厳しくする。 「っ!」 「ブライ…」 「…」 「…飲んだ?」
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