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ブライスは優志をそっと抱き起こして自分の胸の中に抱き寄せた。
優志の吐き気が収まるまで背中をさすり,小さな嗚咽が途切れるまで唇や頬へキスを繰り返した。小さな子どもに与えるような優しいキス。
優志の呼吸が穏やかになって,ようやくブライスが口を開いた。
「優志,結構反撃したんだな…そういうときは恐怖で身体がすくむものだと聞いているけど,頑張ったんだな」
ブライスは優志をぎゅっと抱きしめた。
「…そうかな」
「そうだ。あいつが優にしたことは犯罪だ。けれど優志の予想以上の反撃であいつの企みが半ばで終わったんだ。…もっと酷いことになっていたかもしれないのを」
「ん…なかっことにはできないくらい悔しいけど…でも,もう苦しみたくない…」
「優が俺の前でその悪夢を言葉にして解放したから,もう優を苦しめることはないよ」
「ん…」
優志はブライスの胸でほっと溜息をついて,身体の重みを預けた。ブライスは優志の髪の毛に顔を埋めて口づけを与えた。
「もともと,優に落ち度は無かったことだ…俺が,俺が」
「あーっ,そのことはもう言う必要なし。けど…ブライ,悪いと思ってるならこれからずっと俺を」
腕の中で優志の瞳がブライスを見上げて煌めいた。
「…悦ばせて…」
ブライスの目が大きく開かれ胸が膨らんだ。優志の右手がブライスの股間に伸びる。
「あっ!」
「えっ?」
ふたりでブライスの股間を見る。
「少し小さくなってる…」
「そうだな,薬は切れたのか…」
「何だ…,オールナイトかと思ったのにな」
「オールナイトが良かったのか」
「ん…雰囲気次第では…」
「じゃあ…」
ブライスは優志を押し倒して唇に触れんばかりのところで囁いた。
「自力でオールナイトだ。俺の復活祭だからな…」
「ははっ,復活祭ね…。どーれ,卵はどこかな?」
ブライスの深く熱い口づけを受けながら,優志は茂みの下で見つけた卵の愛撫に熱中した。
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