第1章

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精神病院閉鎖病棟の住人たち はじめに 夜になると夜景がとても綺麗だ。 鉄線入の窓越しに遠くに見える街の灯り。 街の灯りの手前には大きな川が流れている。 夏の花火大会を見るのにはベストポジションだが、残念ながらその時期までは居ないだろう これは暇つぶしで公開を前提には書いていないので、日記、エッセイ、メモ、たわごと、便所の壁の落書きとしてお読みいただきたい。 個人を特定するような表現や、精神病患者への誹謗中傷は行っていないつもりですが、ご不快な文面があった場合はご容赦願いたい。 入院になったいきさつは複雑で面倒くさいので、後日エピソードとして出すことにして始まりはいきなり入院するところから始まります。 また、筆者は記憶障害と精神障害者でリアルタイムで書いたもので編集はしていないため、不愉快な表現、時折変な表現や誤字脱字、同じことが何度も書いてあるかもしれないが、それはあえてそのままにします。 12月19日 土曜 もう耐えられなかった。少し古い言葉だけど、プッツン状態で前後数日の記憶がない。 入院を決めたのはいつだったのか忘れたが、とにかく翌週の月曜から入院ということで、身の回りの準備、弟への引き継ぎ、仕事の引き継ぎなどしていたが、今思うと泥酔状態に近い精神状態で準備をしていた。 記憶は土曜の夜、俺の部屋からスタートする。 何があったのかすでにもうパニックになって、その後、妻に電話したのか弟に来てもらったのかよくわからないが、弟の車に乗って病院へ向かった。夕方だったのでご飯を食べてから病院へ向かった。 土曜の夜の病院は静かで、簡単な検査を行っていざ病室へ。 入院のパンフには開放病棟と閉鎖病棟が書いてあったが、自分は何の疑問持たずに、開放病棟だと思っていた。 「はい、○○さん、お部屋に案内します」1階のロビーで待っていた俺と弟に看護師さんが声をかけてきた。「○○さんは四階の閉鎖病棟になりますから」!?え? …二人共声が出ない。間違いじゃないのか確かめたかったが声が出なかった。 固まったままエレベーターは四階へ着いた。少し歩くとドアが見え、「ここからが病棟です。鍵で開け閉めします」どうぞ中へ。「飛び出てくる人がいるので注意」の張り紙を見ながら、「はあ」と声にならない返事をしながら進む兄弟。
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