第1章

3/97

54人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
「では、ここへ荷物を置いてください。中身を検査しますので。」持ち込み禁止が何点があるのはパンフに書いてあった。酒など通常の他に、ライター、紐状のもの、鋭利なものなど、自殺に使えるものは持ち込み禁止だった。自分が使わなくても他の人が使う可能性があるからだそうだ。 精神崩壊状態で準備したので、篠笛とか余計な色んなものがはいっていた。 その後部屋に案内されたが広い!医大などの二倍近くのスペースだ。 長期の入院が多いためかタンスが一つあり、その他に机と椅子のセットがあり、すべての間に余裕があり、トータルとしてすごく広く感じ、ベッドもセミダブルかなと思うくらいだった。 一通り荷物を仕舞い、着替えも済まして窓のカーテンを開けて見た。夜景が綺麗だ。 花火大会の時は綺麗だろうなと思ったら、ガラスが鉄線入で窓には鍵がかかっていた。 弟が帰るというので、見送ろうとすると、看護師さんの方が警戒する。鍵を開けたら出て行くのではないかとそんな目で俺を見る。 そんなことしないよと言いたくないので少し後ろに下がる。 弟が出ていって急いで鍵を占めた瞬間、ここまできたかと実感が湧いた。夜は久しぶりにぐっすり寝た。イビキで起こされるまでは… 12月20日 日曜日 入院するまでは、時間がほしい、時間があったら本を読んで溜まってる映画も見て、なんて思っていたけど、無限のヒマを目の前にすると本には触らない映画のタイトルすら見ない。今日一日で考えたことは一つ、飴をどの程度の大きさまで舐めて小さくしてから噛んだらいいか。同じことが板チョコでもいえると思ったが、中には板チョコを煎餅の様にバリバリ食べる人もいるから噛むタイミングを設定するのはあくまでも個人の好みであると思い考えるのをやめた。 「看護婦さ~ん」と叫び続けている人が居る以外は静かな午後だった。 12月21日 月曜日 入院3日目となり初の平日となる。朝からなんか忙しない空気がある。職員の数が多いのだ。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加