第1章

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ここの住民はこのように個性が豊かで世間の普通とは違うが、人間を大きく10 くらいにグループ分けしたら、同じグループだろうな。「レベル」が同じなのである。一切会話をしなくてもとても居心地が良い。逆に、同じ職場で同じ目標同じ予算の仲間同士とは一体感が感じられない。「レベル」が違うのである。一緒にいて会議を何時間やろうと居心地は良くならない。ここの病院は5階層くらいあるが他も見てみたい。 入院前に本を7冊とタブレットに映画を10本以上入れてきたが、全部見ることはないだろう。 物を大事にしないのかしているのか自分でもわからない。 同じものをずっと使っているものもあるし(そういえば、この前娘と妻が、俺のベッドのマット以外全部捨てたと言っていた) 全く大事にしない物への仕打ちはひどいものだ。服は着るか着ないか迷ったものは捨てる。そういえば気になるものがある。手編みのセーターだ。意味での人生で5人くらいから貰ったがこの一着が誰作が分からないのだ。しかも手編みのセーターがあることを妻は知っている。どうせ着ないしそのうち捨ててやろうと思ってる。 なんと昼にクリスマスメニューの食事が出た。オムライスにモミの木の形のハンバーグ、そして何とケーキまで!しかもよく見るとブッシュ・ド・ノエル型! イヴではなく25日の昼に持ってくるところがにくい演出だ。 スマホは便利だ。しかしこんな時まで色んなメールが来る。俺を殺そうとしているのかな。 俺が死ねば問題は全て解決するのか!時々訪れるこの感覚。周りにはこのような感情はないと言っているが。このモードに入ると娘のことも頭に浮かばない。俺の周りには荒れ果てた荒野が360度地平線まで何も見えない。既に倒れている。目を閉じれば死ぬ。閉じても我慢していてもなんの変わりもない。俺という意思が無くなるだけ。俺が死んだらそりゃ娘は泣くしショックだろうが時間が解決する。あぁこんなこと書いているようじゃ退院はまだだな。 12月26日 土曜日
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