第4話  夏の日

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「……腫れてる」 「え、何ですか」 「目の下、腫れてる。 夏休み前より痩せた? 何があったの」 「……」 どきりとした この人がそんなことに 気付くタイプだとは思わなかった   「何でも、ないです」 「悔しい」 「は?」 「小春ちゃんにそんな顔させるの、誰」  「……」 私は可笑しくなって、 少し笑ってしまった 「小春ちゃん……?」 「ねえ先輩。 私のアパート、すぐ近くなんです。 ……来ませんか」 「えっ」 ガチャン と音がして、 先輩が取り落としたグラスから サイダーがわずかに零れた。……
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