code2:小さな侵略者

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何故そこまでのお嬢様が浩と許婚関係になっているかというと、浩の父親は記者で、桜の祖父をよく取材していたからにある。あくまで親同士の同意なだけで、本人達の意見は取り入れられていない。 ただ、桜の方は大歓迎のようだが。 桜が昔のことについて延々語っている途中、浩はちょっと聞きたいことがあった。小須田のことだ。 浩は小須田に、何か奇妙な、言葉に出来ない感覚を抱いていた。 「なぁ、森田…」 桜は聞こえないフリをした。 浩が少し苛立ったように苗字を呼ぶと、桜は何か企んだような笑み。 「”サク”って読んでくれないと聞いてあげない☆」 桜のイタズラ心が満開になった。浩は再び呆れて帰ろうとする。だが桜が引き止めた。 引き止められた瞬間、振り返って浩は聞いた。 「あの転校生、何かおかしくないか?」
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