尊敬する人と、そうでない人。

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長年働くアルバイトの方もいるけれど、学生はそのほとんどが卒業したらここを離れてどこかへ就職していく。主婦の方であれば、妊娠したらそれを機に辞めていく。でも、また働くこともあるのだろうと思うから。たかだかこの喫茶店、この店舗でしか活きないものはさほど重要ではないと思うの。 なにかをやるには理由があって、それを考えようとすること。一緒に働く人だって、人なのだから、誠意と思いやりを持っていれば、それだけで円滑に進む人間関係だってあるはずだ。お客さん対応だってそう。作る側の人だって、お客さんなしではその仕事自体が必要なくなってしまうのだし、お客さんへの丁寧な対応も大事。上司や部下との接し方だって、どこにでもある人間関係だ。 全部じゃなくていい。何か一つでも。ただの喫茶店、ただのアルバイトでも。お金を稼ぐためにいるよりも、得られるものがあった方がいいじゃない。私はいつだってそう思う。できれば、一緒に働く人たちにはそう思っていてほしいと思うから。 遊びに来ているわけではない楽しさを、伝えられるような教え方ができたらと考える。辛いことがあっても、喜びや楽しさがあったら、嫌々働くことなんてなくなるだろうから。 働く人も、お客さんも笑える職場になればいいといつも思う。 何よりも、尊敬できる人であり、私をこういう風に育ててくれた恩師でもある人の下で働いているから、少しでも恩返しになるようにと私は続けている。 今、職場で一番厳しい教え方をするのは私なのかもしれない。みんなの前ではそれでいい。一人一人へのフォローは見ていないところですればいいだけだから。 誰かが見ていてくれる、気に掛けてくれる。それだけで、頑張ろうって思えたりするものだと思う。店長がそうやって私を育ててくれたから、私も誰かにそうすることが恩送りになると思ってやるだけだ。 伝わらない人もいるけれど、伝わる人もいるのだから。私の考えが100%正しいなんて思っていないけれど、大切だと思えたことを伝えたい。 接客、という括りではないけれど、お仕事をする上で私が大切にしていること。
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