第1章

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今までまるで手をさしのべず、退職の原因を理解していない家族は、当然のように僕を責めました。 僕が短期のアルバイトでお金を稼いでは、自分の生活費にして負担をかけないようにしても、責めは無くなることも緩むこともありません。 ・・・・・・ここまで書いても、人によっては 「いつまでイジメをひきづっているんだ」 「イジメを乗り越えている人もいるのに、なに甘えたことを言っているんだ」 などと、思う人はいるでしょう。 しかし、僕にしてみれば、それは支えがあったから、体験していないから、もっと言えばイジメを理解していないから言えることです。 あなたは普通なら青春を謳歌している時期に、自分の生まれた意味、自分が生きている価値について、真剣に考えたことありましたか? 考えたのなら、今でもそれを変わらずに持ち続けていますか? そして、自分という意思が消え、何かを考えることが全く出来なくなる「死」という概念を、その想像がどれだけ恐ろしいか、しっかり理解できていますか? 僕はそれを理解した上で、久方ぶりに持つことができた自分の意思で、これを書き残し、旅立つことにします。 誰もいない、なにもない、自分さえない、僕にとっての唯一の楽園へ。 もう誰も、同じ選択をしないよう、祈りながら・・・・・・・・・・・・ 同朋への思いやりを失った最も愚かな種族へ 社会の犠牲者より
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