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「光夜…先輩?」
二人がそんな話をしながらゆっくりと校舎へ向けて歩いていると、今度は少し高めの声が後ろからかかった。
「…?」
光夜はまた首をかしげて振り返る。
本人の自覚はないものの光夜は天然なところがあった。
「やっぱり、光夜先輩だ。お久しぶりです。やっと帰って来てくれたんですね。」
夾夜と同じく、髪色は物凄く人の目を惹く。
「あぁ…」
振り向いて、光夜は合点がいったように微笑んだ。
「そうだね、久しぶりだ。」
光夜に話し掛けた人物は生徒会会計の子で。
光夜は夾夜と同じく(というよりも立帝学園とも学校同士の繋がりを持つため)生徒会長。
悟之は副会長を務めている。
「…長い間、席を空けていて申し訳なかったな?」
光夜は嬉しそうに自分をみるその後輩に苦笑して言った。
「いえ、副会長と他で協力しましたのであらかたの仕事の整理はつきました。」
会計は光夜に向けてニッコリ笑った。
「そうか…。」
「でも雑務は残ってるぞ?」
嬉しそうに微笑む光夜に悟之がキツク突っ込む。
「…。」
光夜の表情は一瞬固まった…、が
「まぁ、それは僕の仕事だと思って引き受けよう。部活は入ってないし、手は空くだろう。それに何より明月光夜の完全復活だ。すぐに終わるさ。」
誰に似たのだろうか…
普段自信なさげの彼なのにこういう時だけ不敵に微笑むのであった。
彼等のスクールライフはまだ始まったばかり。
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